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第08回 「T’sレストラン」引き渡し

T's ストーリー

ちょうど1年前の2009年8月25日に、T’sレストランの内装工事が終わり、朝10時に引き渡される、というまさに『T’sレストラン』の歴史に残る大事な1日となりました。
今回は、昨年の8月の様子をお知らせしたいと思います。
2009年8月の大きなテーマ
1.現場の内装工事の打ち合わせと工事進行から完成、引き渡しへ。
2.コンセプトを決定。
3.メニューの具体化と撮影。
4.オープンに向けて必要な調理器具、食器、業者などすべてを具体化し決定。
1.工事
現場工事は、毎晩『Luz自由が丘』の営業終了後20時過ぎからスタート、翌朝9時ごろまでの深夜から朝にかけて行われます。まさにちょうど1年前の今の時期、現場に携わる関係者は、昼夜が逆となって、クーラーも窓もないところで、暑さと戦いながら、工事をして下さっていたのです。進行状況を見に行くたびに、皆さん、きちんとヘルメットをかぶり、汗だくだくで、一生懸命お仕事をされていて、ありがたいことだな!申し訳ないな!と思いました。それまで設計図で想像していたのものが一つ一つ形になっているのがわかり、工事現場を見に行くのが毎回楽しみでした。

今のこの時期、夜になっても、クーラーを止めるとムッとするくらいの蒸し暑さ!
その度に昨年のことを思い出し、工事関係者みなさんに対して、頭が下がります。お盆休みもなく、毎日突貫工事で『T’sレストラン』のことを思って、夜中に冷房のない状況で心をこめて作ってくださったこと、感謝しています。だから、よく居心地のいい空間だと褒めていただけるんだと思います。
お客様から、「この『T’sレストラン』は、すごく居心地がいい。ここにいるとなんか気分よく過ごせるんです!」と言われますが、その理由は、この器を作ってくださった工事関係者の心も要因の一つになっているんだと思います。
N社の皆さん!ありがとうございます。

2.コンセプト
コンセプトも何度も考えました。そして、決まったのが引き渡し日前日の8月24日です。
業種:太陽と大地の食卓
体がよろこぶ『T’sレストラン』
太陽の恵みをたっぷり浴びて育った大地の食材と、吟味した調味料を使い、どなたにも楽しんでいただけるメニューを、丁寧にまじめに、新しい美味しさに仕上げました。
T’sレストランでは、肉、魚介類、卵、乳製品などの動物性食材を使っていません。
心地の良い空間で、体がよろこぶお食事をどうぞ。

3.メニュー対策

何と言ってもこのメニュー作成が大変でした。関係者皆さんにどれだけ気をもませたことでしょうか!
レストランでのお食事ですから、まず「美味しさ」が大事です。
4つのもの(お肉・魚介類・乳製品・卵)を使わないで、誰が食べても「美味しい!」というものにしたい、その点は絶対に妥協しない!という方針で毎回試食をしました。
どんなにメニュー構成やインテリアが素敵でも、美味しくなかったら、お客様は2度と来ていただけません。とことん「美味しさ」を追求しました。
また、「見かけも」「盛り付け」も大事です。
「わぁ、美味しそう!」「わぁ、かわいい!」食べられる直前の感動を味わっていただきたい、そして食べられた時に「美味しい!」と驚きを感じてほしい!
そんな思いで毎回試食をするのですが、なかなか思っているような形にたどり着きません。何度も何度も作るのですが駄目でした。
8月11日から撮影の予定でいるものの、7日の段階で、まだ一つとして「これはいい!」と完成したものがありません。
「本当に平気なんですか?本当にお店を開けるんですか?お店という器はどんどん進行しているけれど肝心のお料理はどうするんですか?」という言葉も関係者からありました。確かにこのプロジェクトに関わっている皆さんの気持ちはよくわかります。
でも、私は絶対にあせりませんでした。いつも「苦しんではならない。その時にできることを精一杯やっていれば必ずできる時はできる!」と思って毎日を楽しい気持ち一杯で、やるべきことをやって過ごしていました。
11日から13日にカメラマンAさんは予定をあけてくださっていましたが、結局完成したお料理は一つも撮れずじまい。
ただそこで、ようやく待ちに待った希望の星が誕生したのです!
「かぼちゃとサツマイモのマリアージュサラダ」です。
盛りつけられ作品が目の前に置かれた時、「エッ?すご~い!こういうの見たことない!こんなものが作れるんだぁ!」と感動で涙が出るほど嬉しかったです。
見ているだけでも何か作品のようで、すごいなぁ…こんなことができるんだぁ…という思いになりました。そして肝心の「食べても美味しい!」のです。
ただし、毎日一生懸命キッチンメンバーが試作しているのですが、これ以外には何も生まれず、1週間が過ぎました。
ただ、この1週間の中で、『T’sレストラン』の原点も学びました。
「お客様(選んで食べる側)は、その店のオリジナルのおすすめの一品を召し上がりたいんだ。オリジナルとは、何かを真似ているのではなくてうちらしい新しい味。偽物を作るのではない! ハンバーグに近づけるベジバーグではない!
『T’sレストラン』の真のオリジナルベジバーグを作ろう!」ということです。この点をみんなで確認し合えたことは大変大きな収穫でした。
そして、8月17日になりました。
なんとこの17日と19日と20日の3日間で、今まで眠っていた何かが急に起き上がったかのように、どんどんとメニューが形になって行くのです。
それはそれは見事でした。その時の感想が昨年のメールに残っています。

今日は、すごい成果!どれもどれも見栄えもよく、何か高級レストランの仲間入りができてきた感じ!スタッフ3人それぞれが、自分自身の得意な分野を完成させている!という感じでした。
この調子!20日に向けて、また階段を1段ずつ上りましょう。
スタッフから来た感想では…
今日は3人とも黙々と作業を続け、結果こんなにもメニューができているとは、隣にいる私も気付きませんでした。
いつも「今を一番大事にする」気持ちをキッチンもホールもスタッフみんなが持っていれば、絶対によいお店作りにつながると改めて思いました。
20日に、すべてメニューとなるお料理作成終了。写真撮影も無事終わりました。
誰もが大きな達成感を味わいました。
そして、21日、関係者が一堂集まり、3日間で完成されたメニューの中から、一つ一つを検討し絞り込むという会議。
チームのみんなが、心底メニューに対して明るい光を感じたのはこの日だったかと思います。
やっと「これで行こう!」と決まり、しかし「これでおしまいではない。『T’sレストラン』は食を通して〈健康〉を伝えていくんだ!」と言葉にした瞬間、一本の電話が鳴りました。
著名な女性誌『Hanako』編集部からでした。「自由ヶ丘」特集の取材でした。
この時の気持ち、どれだけ嬉しかったことでしょう。すぐスタッフに伝えました。
みんな飛び上がる気持ち!まだお店が完成していないのに取材が入るなんて!しかも有名誌から!言葉にできないほどの嬉しさでした。
そうしている時に、続けてまた一本の電話。なんと、今度は、テレビ東京の番組『ソロモン流』から!
本当に本当に信じられない瞬間でした。
苦労して苦労してようやくメニューが完成した直後の思いがけないビッグな2つのプレゼントです。
驚き・喜びをどう表現していいかわからないほどでした。
一人一人の努力、あきらめない気持ち、苦しまず楽しい気持ちで、やり通す、やりぬく、貫く!そして、何と言っても神様の応援!
とにかくその時その時出来ることを精一杯やって、25日を迎えました。
引き渡しです。
落ち着ける温かい感じのお店が完成しました。
ほとんどのスタッフが初めて中に入りました。
初めて見る完成したお店に対して、みんなワクワクドキドキ!という気持ち。
短時間でこんな素敵な形にしていただけたことに感謝の気持ちで一杯になりました。
まだ養生したままなので、それがすべて除かれた時、もっと素敵な姿に変身するのでしょう。
26日!
この日初めて、これから『T’sレストラン』で働く人の顔合わせ。
アルバイトでお願いしている人も皆さん集合。
そして、一人一人自己紹介。
コンセプトも説明しました。
一歩一歩歩み始めています。
みんなオープニングに関われて、幸せです!
28日、2時から消防の方が来られて検査。これがOKとなって、やっと火が使えるのです!
その時間と並行して、『Hanako』の取材がありました。
ありがとうございました。
こんな形で『T’sレストラン』がいよいよ現地で始動したわけです。
今写真を一枚一枚見ると改めて、「よくやってきたなぁ!」と思います。
ここまで来るのに、関わってくださった皆さんの力があったからだなと感謝の気持ちで一杯になります。
ありがとうございます。
次回は9月25日、『T’sレストラン』がオープンの日の更新です。
またこの1カ月も実に密度の濃い1カ月!
楽しみにしていてください。

最新情報

Disney映画、実写版「アラジン」の主役メナ・マスードさんがT’sレストランに来てくださいました。
カナダ放映の予告編がこちらからご覧いただけます。

T’sストーリー

当店のオーナー 下川 祠左都によるエッセイ「T’sストーリー」は2010年1月から始まりました。専業主婦からレストランの経営者へ。そこから始まる物語をつづっています。

ぜひ最初からご覧ください。

第01回 「プロローグ」

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