BLOGT’sストーリーと日々の出来事

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第04回 丸パン物語

T's ストーリー

2009年5月25日に始まったT’sストーリー!
今回は2009年5月27日のことです。

5月26日「夢」であったお店の候補地が突然目の前に現れた話に、目が覚めても、なんだか宙を歩いているような感じでした。
「どうなっているの!」「すご~い!」という思いで胸が一杯になる中、「せっかくのこのチャンスを大切にし、一つ一つ目の前にあることをやっていこう!」という気持ちになりました。
お店を開くに当たり、私の中でいくつか叶えたい夢がありました。その一つが「T先生の作る天然酵母のパンを置きたい」ということ。今回はT先生との出会いやパンを置けるようになるまでのお話が中心です。

T先生との出会いはまだお店を開くなんて話が全く出ていない頃。私は娘と二人で、T先生のパン教室に通い始めました。元々娘がブログを通してT先生の単発レッスンに通っており、「とても素敵な先生だから、レギュラーのパン教室にも一緒に通おうよ!」と誘ってくれたのがきっかけでした。
T先生は天然酵母パンのクラスの他に、卵・乳製品・白砂糖・動物性を使わないクラス(ヘルシー・アトピーコース)も作っていて、そんなパンを習える教室は珍しかったので、とても楽しみに通い始めました。
娘に紹介され、私は初めてT先生に会ったわけですが、T先生との会話、パンへの想い、お人柄にすっかり引き込まれてしまいました。そして、初めて食べる天然酵母のパンのおいしかったこと!卵や乳製品を使わなくてもこんなにモチモチしてておいしいんだ!さらに、先生の毎日書かれる写真付きブログが楽しみになって、朝起きてすぐブログを開くのが日課となり、読みながら次回の教室が待ち遠しくてたまりませんでした。まだ一回しか会っていなかったけれど、「とても素敵な先生だし、動物性を使わなくてもとてもおいしいパンが焼けるとわかったから、次回お会いした時に私の夢の話をして、いつかT先生が作るパンを置きたいという話をしたいな~」と思っていたのです。

それが、5月25日からのまさかの急展開。
次回のパン教室で夢物語を話すどころか、具体的に行動を起こす段階になってしまったのです!
「まずは、T先生にお話をしなくては!」。
でもまだ1回しかお会いしていなくて、T先生の電話番号も知らない状態。
メールで「T先生にお話があるので、電話番号を聞いてもいいですか?」というような内容のメールをしました。
それにはT先生もびっくり。「そんなに急いで話すことって、何か起きたのかしら? 」ご心配をかけてしまうくらいでした。
その後実際お電話でお話し、夢が具体的になっていったのですが、その時のことを実況中継的に記録したメールが残っていますので、そのままここに載せます。

今パン教室の先生、T先生に電話をかけ、私の夢の話をし、夢実現に向かって、パン部門で協力してほしいということを伝えました。
T先生はコンセプトを聞いて「とっても素敵!」と興奮感激して下さり、35分間の電話で、前向きな話が出来ました。
何か毎日、大きな流れの中、すごいスピードで動いている気がします。
T先生には、私が描くお店では、どの分野においても、貫いている人、追求している人、そして、何よりも心がきれいな人の集まりにしたいと思っていることも伝えました。
そのお店には、働いている人、携わっている人の気持ちがみんなきれいで、清らかで、曇りがない人が集まってほしいし、そういう人の集まりであれば、そこのお店は、空気が澄んで、他とは違う素晴らしいお店になるんだと思います。
だから、そういう人に声をかけたいと思っていることも伝えました。

 
こうしてT先生にも共感していただき、T’sレストランで「丸パン」を置かせてもらえることになりました。ネーミングは出来上がりの丸い形がとてもかわいくて、素直な気持ちで「丸パンがいい!」とみんなで決めました。

なんとこの「丸パン」は、偶然にも私がパン教室第1回目に習った「フォンデュ」。この時、初めて粉に触れ、こねて、生地を成形し、発酵、焼成…という工程を学びました。触感がとっても気持ち良く、優しく、ふわふわしていて、一つ一つのパンを作るのに、愛情を持ち、丁寧に扱い、時間をかけて出来上がっていくのだな…と不思議な思いになりました。初めてのことばかりで、どうしていいのかわからず、オロオロして、T先生にたくさんやっていただいたことを懐かしく思い出します。
その時はまさか、初めて習ったパンが4カ月後にレストランのパンになるとは全く想像していなかったのですが!
「丸パン」が皆さまのお口に入るようになるまでに、色々な過程を通りました。
大きなこととしては、お店で販売するには営業許可をとる必要があり、T先生はご自宅の一部屋を改造してパン工房を作ってくださり、営業許可書を取得してくれました。そして、元々行っているパン教室もあるわけですから、レッスンがない日に調整して「丸パン」を焼く時間を作ってくださることになりました。
どこかのパン工場にお願いすれば、簡単に取引できるのでしょうけれど、今回どうしてもこだわりのパンを置きたい!ということから、一つ一つ試行錯誤しながら、形にしてきましたし、今もまだまだ進行中です。
2月から3回、物販の日を試験的に設けました。
お店で召し上がっていただくだけでなく、物販でT先生の天然酵母のパンを売りたい、動物性なしでもこんなにおいしくて楽しいパンもあるんですよ!とご紹介したい、という気持ちからです。(すでに、T’sブログで紹介しています。)
今後は、5月から月1回、物販を行うことにしていきます!是非いらしてくださいね。
T’sレストランでは「思い」というのを大事にしているために、お客様にご迷惑かけてしまうこともあるのですが、何事においても、目の前にあることを一つ一つ確実にやっていこうと思っています。
どんな時にも、どんな場合でも、誰もがいつも楽しい気持ちでやっていると、それが相手に伝わるんだ!と思います。
楽しい気持ちで焼いたパンは、食べた時においしさを感じます。
お料理も同じですね。
またこの5月27日には、T’sレストランの内装を引き受けてくれることになる方や、設計の方とも話がつながり、翌日Luz自由が丘現地で会うことが決定!
5月28日にお店を借りたいというエントリーシートをK社長に提出することも決めました。めまぐるしく進んでいきます。
その時の私のメールの中に、こんな文章がありました。
「なんだかわからないけれど、不思議な流れで、T’sレストランに必要な人がみんな一つに集まり始めています。
何かわからないけれど、ワクワクしてきます。
毎日何が起きるかわからない!という感じです。」
「この夢の話を受け入れていただけるのか、まだ未定なので、あくまでも慢心せず、無謀にならず、一歩一歩進んで行こうと思っています。
色々な夢をどのように反映させ、形にしていけるのか、まだ未知数ですが、参加する人たちみんなが楽しい気持ちで、取り組んで行かれたらいいなぁ…と思っています。」
またカメラマンAさんからのメールに、こんな言葉があります。
「すごいものが水しぶきを上げて疾走していって
しぶきのひとつぶひとつぶがスローモーションの映像の中
光ってとても奇麗
ひとつぶの滴の奇麗さをしっかり写し留めなくちゃ。」
次回記事をアップする日は、2010年5月25日です。
まさにT’sストーリーが始まった日。
船が動き出して、ちょうど1年という記念日です。
次回は何のお話か、楽しみにしていてくださいね。

T’sストーリーについて

当店のオーナー 下川 祠左都による「T’sストーリー」は2010年1月から始まりました。専業主婦からレストランの経営者へ。そこから始まる物語をつづっています。

ぜひ最初からご覧ください。

第01回 「プロローグ」

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